メダカの学校
ビオトープという言葉を聞いたことはありませんか?もともとはギリシャ語で「生き物が住むところ」という意味だそうです。鯉が泳ぐ学校の池や、小鳥が巣作りをするデパートの屋上庭園など生態系を保つ場所。森林など自然本来のものが少なくなりつつある現在、人工的なビオトープが増えているようです。
我が家では、一昨年の夏、妻が「超簡単ビオトープもどき」を作りました。花を生ける、大きめの平べったい器に水を張り、メダカを泳がせたのです。酸素供給のため入れた植物は、なんと観葉植物のポトスとアイビー。そんなんで大丈夫なのかと聞くと「だって水草はすぐ枯れちゃうんだもん」とのこと。直射日光の当たらない窓辺だったのですが、水草には少々日光不足だったようです。
生き物には、強いものも弱いものもいます。妻が飼い始めたメダカも、次第に数が減っていきました。が、元気に泳ぎ回り、長期間生き残っているものもいます。どうやら環境は大丈夫のようでした。
そして、驚いたことに、昨年12月、なんとそのメダカが卵を産んだのです!ポトスの根に、透明なつぶがいくつもついていました。しかし、卵は無性卵のようでした。妻は再び5匹100円のメダカを購入、同じ器に入れました。すると再びメダカが卵を産んだのです。後から買って来た中には、ちゃんとオスがいたようで、透明な卵の中に黒い点が2つ並んでいました。稚魚の目です。
金魚の飼育は経験がありましたが、メダカの飼育、しかも卵を孵化させるなんて、私も妻も初めての経験です。インターネットで情報を得て、妻が中心に一生懸命世話をしました(大人のメダカに食べられないよう卵を別の器に移し、死んでカビが生えた卵を取り除いたり、こまめに水を替えたり、卵の世話も意外とあるのです)。
卵を親メダカと離してから約1ヵ月後、今年の1月2日に1匹目が誕生しました。今日現在までで計14匹が孵化しました。孵化したと思ったら死に、死んだと思ったらまた新しい生命が誕生して、その繰り返し。生まれてすぐ、力強く動き回るものもいれば、器のそこで弱々しくじっとしているものもいます。卵は半分孵化すればいい方だという話も聞きました。自然界では、外敵も多いことでしょう。同じメダカの大人に食べられてしまうことだってあります。
生きていくのって、本当に難しい。子供と水槽を眺めながら、いい勉強させてもらっているなあ、と思いました。
下の写真は、生まれた卵を大人メダカと離すために、新しく購入した水槽です。子メダカは小さい器に、大人のメダカを新しい水槽に入れました。
新しい水槽はライト付きで、暗い室内でもちゃんと水草が育つよう、しっかり環境を整えました。
水槽の大きさに合わせてメダカを12匹に増やし、水槽の掃除屋になってくれるという小さなエビも入れました。
環境がいいと、生き物はすくすく育つんですね。以前窓辺で枯らしてしまったウォーターレタスという水草が、今度はにょきにょき増えて、水面いっぱいに広がっています。環境が大事だということを、改めてメダカの水槽に教えてもらったのでした。